ご依頼者の属性・ご相談内容
年代:60代
性別:男性
相談内容:長年疎遠だった弟様がご自宅で孤独死されたと警察から連絡を受け、当事務所へご相談にいらっしゃいました。弟様は生前、金遣いが荒く、ご依頼者に対して度々お金の無心を繰り返していました。ご依頼者はそのような弟様と何年間も全く連絡を取っておらず、突然の訃報に大変驚かれていました。正確な死亡日は不明でしたが、警察の検死により、弟様本人と判明したとのことでした。遺産としてはご自宅であるマンション1室があることは分かっていましたが、負債は不明でした。しかし、これまでの生活状況から大変な金額のマイナスの財産があるかもしれないと強い不安を感じ、亡くなった弟様にとっての兄にあたる、もう一人のご兄弟とともに相続放棄を強く希望されました。
※プライバシー保護のため、一部実際の事例とは変更を加えている箇所がございます。
弁護士の対応・結果
ご相談をお受けした際、ご依頼者は警察から弟様のマンションの鍵等を引き取るよう打診されており、対応に悩まれていました。相続放棄を予定している場合、遺品を処分すると「単純承認」とみなされ、相続放棄が認められなくなるおそれがあります。また、鍵を受け取ってマンションを管理する立場になると、放棄後も保存義務を負う可能性があり、その後の対応が難しくなります。そこで当事務所の弁護士が速やかに警察署へ直接電話をかけ、「ご遺族は相続放棄を行うため、マンションの鍵などを受け取る立場にない」と法的な見地から明確にお伝えし、警察側にもご納得いただきました。これにより、ご依頼者が警察と直接やり取りをする心理的負担を解消するとともに、単純承認のリスクを未然に防ぐことができました。
また、本件は「兄弟の相続放棄」事案でした。兄弟が相続放棄を行う場合、被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、すでにお亡くなりになっているご両親や祖父母の戸籍など、集めるべき戸籍が非常に多岐にわたります。本件でも、当事務所の弁護士が迅速に戸籍を収集しましたが、最終的に約20通もの戸籍謄本等が必要となりました。弁護士による迅速な戸籍収集と的確な警察対応、万全な書類作成の結果、管轄の家庭裁判所へ申述をおこなってから、わずか1週間以内に無事にお二人とも相続放棄が受理されました。
まとめ
長年音信不通だったご兄弟が孤独死し、突然警察から連絡が来るケースは少なくありません。このような場合、警察から遺品や鍵の引き取りを求められることがありますが、相続放棄をお考えの場合は慎重な対応が求められます。弁護士にご依頼いただければ、警察への窓口対応も代行し、単純承認となるリスクを回避することが可能です。
さらに注意が必要なのは、「兄弟の相続放棄では必要な戸籍が多数になり、取得に非常に時間がかかる」という点です。相続放棄は原則として「自分が相続人になったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ申述する必要がありますが、ご自身で不慣れな戸籍集めを行っていると、あっという間に期限が過ぎてしまうおそれがあります。当事務所では、膨大で複雑な戸籍収集から家庭裁判所への申述、警察対応や債権者対応まで一貫して手厚くサポートいたします。ご兄弟の突然の訃報や負債でお困りの方は、期限に間に合わせるためにも、できるだけお早めにご依頼いただくことをおすすめします。
この解決事例の執筆者
家村 邦雄(いえむら くにお)/石神井法律事務所 弁護士(東京弁護士会)・宅地建物取引士
東京都練馬区・石神井公園駅徒歩3分の事務所で相続を中心に取り扱う。弁護士と宅地建物取引士の両資格を持ち、不動産が絡む相続の「評価・分割・名義変更・売却の段取り」まで、法律面から一貫してサポートできるのが強み。難しい手続きをわかりやすく説明し、依頼者が納得して進められることを大切にしている。
※当事務所は宅地建物取引業者ではないため、売買の仲介は行いません。