MENU

共有不動産の相続方法について

まず、被相続人が不動産の共有持ち分を有していた場合(ある不動産を被相続人が誰かと共有していた場合)であっても、基本的には通常の相続と変わりありません。

被相続人が遺言をのこしていたのであれば、その内容にしたがって相続されますし、遺言がない場合には、相続人全員で遺産分割協議をおこなうことになります。
なお、被相続人の遺言を探すには、引出しや金庫の中を確認することはもちろん大事ですが、公証役場や遺言書保管所に照会することもできます。被相続人が公正証書遺言を作成したかいなかについては公証役場で調べてもらうことができます。当事務所にご依頼いただいた場合、練馬公証役場で調べてもらいます(検索システムを利用して調べてくれますので全国どこの公証役場で作成した公正証書遺言であってもその存否を教えてもらえます。)。

当事務所では事前に必要書類を確認し提出の上、予約してうかがいますので、うかがったその日に検索結果を教えていただけます。また、被相続人が自筆の遺言を法務局に保管してもらっていたかについては、遺言書保管所に照会することで回答をいただけます。当事務所では千代田区にある東京法務局遺言書保管所に照会しております。この照会自体は郵送で可能ですが、当事務所にご依頼いただいた場合でも回答書の送付は法律事務所宛にはしないという運用がなされておりますので、遺言書保管情報証明請求書に同封する返信用封筒の宛先は依頼者宛とし回答書が返送されましたらその内容を教えていただくという対応をとっております。調査の結果、遺言がなければ相続人全員で遺産分割協議をおこなうことになります。

遺産分割では、長男が不動産の共有持ち分を取得し、長女が預貯金を取得するというように個々の財産の性質を変えずに分割する現物分割という方法が考えられます。また、相続人が長男・二男の2名である場合に長男が不動産の共有持ち分を取得し、二男に対してその相続分に相当する金銭(代償金)を支払う代償分割という方法も考えられます。被相続人がある土地の2分の1の共有持ち分を有しており、相続人が長女・二女・三女の3名である場合に相続人がその相続分で共有する共有分割という方法も考えられます(この場合、1/2×1/3=1/6ずつ共有する形になります。)。

一般的には、共有状態は望ましくありません。なぜなら、管理や売却に制約がかかるからです(ここでいう売却とは全体の売却のことです。もちろん、共有者が自分の共有持ち分を売却することは可能ですが、買い手は限られてきますし価格は低くなってしまいます。)。したがいまして、遺産分割の場面でも共有分割は避けた方がよいです。
そして、最終的な共有関係の解消方法としては、相続人がその共有持ち分を他の共有者に売却したり、あるいは逆に相続人が他の共有者からその共有持ち分を買い取ったり、相続人と他の共有者が共同で第三者に売却したり、といった方法が考えられます。共有関係の解消について相続人と他の共有者との間で協議がまとまらない場合、または協議をすることができない場合は、共有物分割訴訟を提起し裁判所に共有物の分割をしてもらうことができます。

また、共有不動産について共有者の一人が亡くなって相続人がいないときは、その共有持ち分は他の共有者に帰属することとなります(民法第255条)。

当事務所は相続を中心に扱っており、共有不動産の遺産分割についても対応可能です。
共有不動産の遺産分割でお悩みの方は是非当事務所の弁護士にご相談ください。