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特別受益

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石神井法律事務所のコラムをご覧いただき、ありがとうございます。
石神井法律事務所は東京都練馬区石神井町で相続・遺言等の業務を取り扱っている法律事務所です。
遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・遺言・成年後見等について弁護士が対応致します。
代表弁護士の家村邦雄(東京弁護士会所属)は宅地建物取引士の資格も有しており、不動産相続を得意としている相続弁護士です。
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西武池袋線石神井公園駅徒歩3分。練馬区石神井庁舎の斜め向かい。土曜日も営業。お気軽にご相談ください。

特別受益とは

本日は遺産分割の際に問題となることがある特別受益について解説したいと思います。

例えば、父親がすでになくなっており、母親が亡くなって子ども3人が相続人となり相続財産が6000万円あるとします。
この財産を法定相続分で分割すると、子どもの相続分は等しいので、各自2000万円ずつ取得するということになります。
この結論は自然に思われるかもしれません。
しかし、子どものAさんだけが母親の生前に1500万円の贈与を受けていたという場合はどうでしょうか。
この場合にも相続財産を等しく分割するのは逆に不平等に思われます。
このような遺産の前渡しがあった場合に、それを遺産分割の際に調整するものが特別受益という考え方です。
特別受益に基づいて計算すると、以下のようになります。
( 相続財産6000万円 + 生前贈与1500万円 ) ÷ 相続人3人
= 2500万円
この2500万円を生前贈与を受けていないBさん、Cさんが取得します。
一方、今回の相続では、Aさんは残りの1000万円を取得します。
Aさんは生前贈与で1500万円を受け取っていますから、結局、等しいことになります。

何が特別受益になるのか

以上の処理をみると、特別受益はよい仕組みのように思えます。
しかし、残念ながら、何でも特別受益になるわけではありません。
法律上は、「遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者」(民法903条1項)と規定されており、制限がかかっています。
ここでは、特別受益かどうかが問題となるものについていくつかみていきます。
なお、遺贈(いぞう)とは遺言によって財産を渡すことをいいます。

結婚や養子縁組の際の持参金・支度金と特別受益に含まれると考えられますが、一方で、結納金や挙式費用については特別受益に含まれるとは考えられておりません。
理由としては、結納金は、結納の相手方の親に対する贈与と考えられ、また、挙式費用については、挙式に関して親が自分のために費やした費用と考えられるからです。

大学の学費・入学金は、扶養の範囲内と考えられ、特別受益に該当しないと考えられています。
一方で、私立大学医学部の入学金については特別受益に該当すると考えられています(ただし、例外はあります。)。

生命保険金は保険契約から発生するので、相続財産にはならないのですが、最高裁判所は平成16年10月29日に出した判例で「特段の事情が存する場合」にのみ、生命保険金を特別受益になるとしています。

上記の他にも特別受益について問題となる点は多々あります。

遺産分割で特別受益を主張したいと考えられている場合は、弁護士にご依頼されることをお勧め致します。

ご覧いただき、ありがとうございました。

当コラムをご覧になられて、遺産分割を弁護士に依頼したいと思われた方は、お問い合わせフォームかお電話(03-6913-1420)にてご連絡ください。

(注)当コラムは一般的な情報提供の趣旨で記載しており、具体的事案に対する法的アドバイスではなく、当事務所は当コラムに記載された情報に起因して生じたあらゆる結果、損害及び損失について一切の責任を負いません。法律・判例は将来において改正・変更の可能性がございます。また、当コラムにおいては読みやすさ・わかりやすさを重視しており、厳密な意味での正確性を犠牲にしている箇所もございます。ご了承ください。

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